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2011年1月 1日 (土)

開高健の写真

 元旦づけの朝日新聞が12面全面を使って集英社のコマーシャルを掲載していた。

 ――兵士に囲まれ、平和を思った。
 ――平和に囲まれ、君は何を思う。

 ――読む人と、つくる人がいて、本になる。
          集英社

 開高健のあまりにも有名な写真が使われていた。
 彼が1965年2月14日にベトナム戦争における従軍記者としてアメリカ軍部隊に帯同中、銃撃戦に巻き込まれた直後に撮影された一枚の写真。全身を弛緩しジャングルに坐り込む開高健の焦点の定まらぬ双眸には、決して見てはならないものを見てしまった人間の絶望が見てとれる。
 わたしはこの写真を見るといつも固まってしまう。絶望の淵を覗き込んでしまった開高の目から視線を外せなくなってしまうのだ。

 地球に生きるひとりの人間として、2011年始まりの日にこのことを記しておく。

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